ケガの原因は事故などの外的要素か、脳と体の認識のズレによって起こります。
事故などの外的要素は、多くの場合、不意に起こるもので、どうしようもありません。
それ以外のスポーツなどで起こるケガは、よく言われるストレッチをしなかったからでもなく、体が硬いからでもなく、脳と体のズレが大きくなったときに起こります。
ズレが大きくなるとケガのリスクが上がる
脳と体のズレとは、脳がイメージしている動きと実際の体の動きのズレのことです。
普段、このズレを認識することは少ないかと思いますが、「何でもないところで転ぶ」や
「運動会で久しぶりに走ってケガをする」などはこのズレが原因です。
例えば、運動会で久しぶり走ったら、転けたという場合。
昔、走った記憶が頭の中に残っているので、脳のイメージはその時のままです。
しかし、体のほうは、昔のままとはいきません。
これが脳と体のズレです。
脳がイメージしている動きと実際の体の動きがあっていないのです。
このズレが大きくなればなるほど、ケガのリスクは高まります。
動くことでしか、ズレを修正できない
ケガを予防するには、このズレを修正すれば良いのです。
では、どうすれば良いか?
それは、「体を動かす」ことです。
脳は常に体の動きを認識し、確認、修正しています。
動かなくなると修正出来なくなるので、脳と体のズレが大きくなり、ケガに繋がるのです。
トレーニングはこのズレを修正し、より良いイメージに近づけ、パフォーマンスをあげるために行います。
柔軟体操はケガ予防にならない
よく昔から言われている「しっかり柔軟体操しないとケガするよ」という話はありますが、しっかり柔軟体操していても、ケガをするし、していなくてもケガをしない場合もあります。
科学的にも柔軟体操をした場合としなかった場合を比べても、ケガをする確率は変わらないという結果が報告されてきています。
むしろ、柔軟体操をしすぎると筋肉が脱力していまい、正常に動かないリスクがあがります。
ただし、柔軟体操が意味がないというわけではありません。
あくまでも、ケガの予防という観点で考えれば、有効ではないということです。
関節の可動域を上げて、パフォーマンスをあげるためには、しっかり柔軟体操をする必要があります。
ですので、柔軟性を上げたい場合は、お風呂の後など、体が温まっているときにしっかり柔軟体操をするとよいです。
動く前はその時の身体の柔軟性を確認するために軽く伸ばすことをオススメします。
身体の硬さもケガのしやすさとは関係ない
同じくよく言われるのは、「体が硬いとケガしやすい」と言うこと。
これも因果関係は微妙です。
多くのダンサーが来院していますが、体が一番柔らかいバレエダンサーにケガが多かったりします。
また、柔らかすぎて、ケガしやすいという人もいます。
ケガの経緯を聞いていると、疲労などで普段よりも筋肉が硬くなって、動きが悪くなったときにケガをすることが多いです。
ですので、自分の体の状態を脳が認識出来ていれば、体が硬くても、柔らかくてもケガをしにくいのです。
疲れがズレの原因になる
疲れがたまると、筋肉が正常に動かなくなるためにズレが大きくなります。
また、疲れは脳にも影響し、正確な指令が出せなくなる可能性もあります。
ケガしないようにするには、当たり前かもしれないですが、疲れをためないことが重要です。
ズレを減らして、ケガ予防、そして良いパフォーマンスを
ケガは脳と体の動きのズレは常に起こります。
体を動かさなければ、どんどんズレてしまいます。
ケガしないようにするためには、普段から、しっかり体を動かすということ。
そして、久しぶりに行う動きは、少しずつ動き、体を慣らしていきましょう。
スポーツをやる場合は、日常生活よりも精度の高い動きが必要になりますので、
よりズレを少なくする必要があります。
それにはさまざまな動きを行い、そのズレを減らしていくことが大切です。
そして、それらを繰り返し繰り返し行うことで、精度が上がり、より安定したパフォーマンスが出来るようになります。
ケガに悩んでいる方は是非、体の動きを見直してみて下さい。
新しい発見があるかもしれませんよ。