はりのすけブログ

最近は、どのスポーツでも、筋トレが推奨され、筋肉をつけること、体を大きくすることが良いこととされてように思います。
スポーツ障害の治療をしていて、あまり良い傾向とは言えないなと思ってます。
ファッションのように筋肉をつけて見た目を良くするのと、スポーツで上手くなるのは別問題なのです。
筋肉をただ増やしても、スポーツは上手くならないばかりか、ケガが増える可能性が高くなります。

筋肉=上手いとはならない

どのスポーツでも、筋肉がある人が絶対的に強い、とはなっていないと思います。
筋肉が多くなくても上手い人はいるはずです。

筋肉は車でいう馬力であり、どれだけ大きくなっても、
運転が上手くなるわけではありません。
力はコントロール出来なければ、むしろ危険なのです。
特に急激に筋肉量が増えた場合、力のコントロールが難しくなります。
そして、腱や靭帯は筋肉に比べて成長が遅く、健や靭帯に負担がかかるため、ケガしやすくなります。

上手く動けないのは脳が原因

スポーツが上手く出来ないのは筋肉がないからではなく、
脳が筋肉を上手く使えてないからです。
なぜなら、体を動かしているのは、筋肉ではなく、脳だからです。
脳が指令を出し、筋肉が収縮し、体が動いています。

体が上手く動かせないのは、大きく2つあります。
1つ目は、脳が上手く指令を出せないこと。
2つ目は、筋肉が脳の指令通りに動けないこと。

脳は初めての動きが苦手

どちらにしても脳が筋肉を上手く動かすには、経験が必要になります。
そのため、初めての動きの場合、脳は上手く指令を出せず、筋肉をうまく動かすことができません。

脳は筋肉の動きを認識、修正して次の指令を出します。
その経験が増えるほど、指令を出すのが上手くなります。
運動神経がよい人は、経験のある動きからの応用が上手いことと動いた経験が多いのです。

筋肉は下請け業者

筋肉は脳の指令に従って、伸び縮みしている下請け業者のようなものです。
脳からの指令に忠実に出来るように、動きを学習し、筋肉量を増やしたり、減らしたりしてます。
脳からの指令が多いと、量を増やし、指令が少なくなると量を減らすのです。
もちろん、筋肉量が少なすぎると上手く動けないですが、多過ぎても邪魔になり、上手く動けません。
筋肉は必要なところに必要なだけあるのが、良い状態です。

また、指令が来なくなると、動き方を忘れてしまったり、筋肉量が減るため、体が上手く動かなくなります。
だから、新しい動きは指令を出し続けて、筋肉に上手く働いてもらう必要があります。
そして、動きのクオリティを維持するには、一定の指令を筋肉に与える続ける必要があるのです。

筋肉が「足りない」ではなく、「使えてない」

では、どうすれば、スポーツが上手くなるのか?
スポーツでパフォーマンスを上げるのには、筋肉ではなく、
脳を鍛える必要があります。

筋肉が「足りない」のではなく、「使えていない」のです。

スポーツを上手くなるためには筋トレではなく、脳トレが必要なのです。
トレーニングは、筋肉をつけるためではなく、体をいかに上手く動かせるかを考えてもらいたいと思います。
そうやって、トレーニングを続けていくと、動きに必要な筋肉は自然についてきます。
そうすれば、余計な筋肉がつかずにスポーツが上手くなり、ケガも減らすことが出来るでしょう。