鍼(はり)の痛みについて、実際のところ、どうなのかお話したいと思います。
早速、質問です。
『鍼(はり)』と言うと痛いイメージがあるけど、実際のところどうなの?
全く痛くないと言ったら、嘘になるかな。
『はり』と言うと注射針のイメージが強いんだけど、注射針に比べると鍼灸用の鍼は非常に細いから、ほとんど痛みが無いことが多いよ。
健康診断などでよく見る採血の際に使われる注射針が0.70mm程度。
当院でメインに使っている鍼は0.12mm。
注射針は液を注入する必要があるために中空になってるんだ。
でも、鍼灸の鍼は中空である必要はないし、形状に無理がないのでスムーズに刺すことが出来るんだ。
だから、より痛み無く刺すことが出来るんだよ。
初めて鍼治療をされる方は口をそろえて「思ってたより、痛くない」と言っているよ。
そんなに怖がらなくても大丈夫なんだね。
それでも怖い場合は、遠慮なく相談してほしいな。
ありがとう!
解説
鍼(はり)の痛みについては鍼灸治療を受けてみようと思う人が一度は思うことだと思います。
痛いというのは、嫌なことですし、出来れば避けたいと思うのが当然です。
はりを刺すので、全く痛くないとは言い切れませんが、鍼灸治療の鍼は痛みが非常に少ないです。
鍼灸治療は体調を整えるのに非常に有効な手段です。
むやみに怖がらずに正しく知って、生活に取り入れて欲しいと思います。
はりの痛みは皮膚にある痛覚が関係してきます。
この痛覚を感じるところを痛点といいます。
この痛点とは神経線維の末端が密集している約1mmほどの点のことです。
その点に刺激を受けると、痛みを感じるわけです。
はりを刺したときに、この痛点に刺激が少なければ、少ないほど痛みが無いことになります。
ですので、はりが細ければ細いほど、この痛点を避けられ、刺激が少ないことになります。
健康診断のときなどで行われる採血の注射針が0.70mm前後、当院でメインで使っている鍼が0.12mm、太いものでも0.20mmです。
鍼治療で使う鍼は非常に細く、痛点にあたりにくく、刺激も少ないのです。
そして、中空にしなければいけない注射針とは違い、鍼治療で使う鍼は形状が滑らかで、注射針に比べて、痛点への刺激が少ないことが特徴です。
それでも、痛点を目で見ることは出来ませんし、触っても分からないので、一定の確率であたってしまうことはあります。
あたったとしても、少しの痛みで済みます。
また、この痛点は部位によって密度が違います。
感覚が敏感なところは痛点も多く存在しており、もっとも多いところは手の指先です。
ですので、痛点を避けられる確率は部位によっても変わってきます。
個人差も大きく、同じ人でも体調によって痛みに対する感受性が変わってきます。
鍼治療は痛みがあることもありますが、多くの体調を整えられる非常に有効な手段ですので、何か体調に気になることがあるなら、是非試してみてほしいと思います。
試してみたいけど、どうしても怖いということであれば、遠慮なく言ってください。
納得いくまで、説明させてもらいますし、灸治療など刺さずに治療することもできます。